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笹島 栄夫; 更田 豊志; 中村 武彦; 中村 仁一; 菊池 圭一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(5), p.455 - 464, 2000/05
反応度事故条件下における照射済MOX燃料の挙動を調べるために、原研のNSRRにおいて燃焼度約20MWd/kgHMのATR/MOX燃料を用いたパルス照射実験を行った。ピーク燃料エンタルピ335~586J/gの範囲で4回のパルス照射実験を実施した結果、燃料の破損は観察されなかった。ピーク燃料エンタルピ500J/g以上の実験で、PCMIによる比較的大きな燃料棒の変形が生じ、461J/g以上のエンタルピで試験した燃料では、ペレット密度の顕著な低下が観察された。また本実験では最高約20%という高いFPガス放出が測定された。Puスポット位置では、FPガスが蓄積されていたと思われる数十ミクロンの大きな空洞が見られた。燃料ペレットの外周領域にあるPuスポットの周りでは、細粒化組織が観察された。Puスポット中の大きな空洞又は多孔組織の存在は、パルス照射時のペレットのスエリングに寄与したと考えられる。すなわち、高いエンタルピ条件でパルス照射した場合には、燃料棒の大きな変形を引き起こし、結果的に高率のFPガス放出を生じさせた原因になったと考えられる。